アメリカに住んでみないと分らないかもしれないが、この国の政治は日本よりも輪をかけて汚い。大統領の選挙まであと3週間足らずで、候補者の舌炎も嘘が多くなってきた。私に言わせれば、共和党と民主党の候補者もいう事は、嘘が100%に聞こえるが、TVやラジオで洗脳されている人たちには、完全に分らなくなっている。米国の放送局のいうことは、あまりにバカバカしいので見ないようにしている。それと候補者が金を注いで宣伝時間も買い込んで、お互い泥の塗りあいをしているのがバカらしい。幸いにも現地の民間放送のひとつが、NHKワールドの24時間放送をしているのでテレビが見たければ、NHKを見るようになった。早く選挙が終わってほしい。
20年ほど前、ロス・ペロー(Ross Perot)という実業家がいたのを思い出した。「アメリカ改革党」という第三党を立ち上げて、1992年と1996年に大統領選挙に立候補して討論会にも、顔を出していた。当時でも大した財産があったらしいが、2009年に自分で運営していたIT企業を、大手のコンピュータ企業に売ってアメリカ国内でも100位くらいの大金持ちになったそうだ。「NAFTA(北米自由貿易協定)は米国にとって悪いことばかりだから反対だね。テキサスに住んでいると、米国で失業者が出て『空洞化』の音がメキシコから聞こえて来るので、うるさくて夜も寝られない」という迷言を討論会でぶちまけて、一躍時の人となった。
ジル・スタイン(Jill Stein)という「緑の党」を代表する大統領候補がいるが、日本では殆ど知られていない。本場アメリカでも、あまり知られていない。このスタイン女史が先週逮捕された。ただ自分も討論会に出たくて、無理やり会場に入ろうとしたところを逮捕されたらしい。大統領討論委員会(Commission on Presidential Debates = CPD)にも「自分も出たい」という意志を明確に伝えていたらしいが、返事がなく強硬策に出たとニュースで読んだ。どうしてロス・ペロー氏ではよくて、彼女では駄目だったのか分らない。時代が変わるとこうなるのかも知れないが、こういうニュースがもっと報道されてもいいと思う。